断片的なものの社会学 岸政彦

「断片的なものの社会学」という、社会学者の岸政彦さんの著書を読んだ。


タイトルに「社会学」とわざわざつけており、どんな風に論じるのかと思い読んでみたら、何一つ結論を言っていなかった。

いや、一つだけ言っているのは「僕はどうしたらいいかわからない」ということ。


わたしが、何年か前に突然マイノリティの立場に立たされた時、それを打ち明けた相手はマジョリティに属する人たちであったが、彼らの言動は気遣いのつもりの暴力であった。

それから、もし自分が逆の立場になったとき、わたしが経験したことのない立場に置かれたマイノリティであることを親しい人から打ち明けられたとき、自分は、その超えられない壁に対してどうやって寄り添えばいいのか、ずっと疑問に思っていた。


上記の本を読み、答えは全くでなかったけれど自分の支えになる本の1つとなった。読み始めは困惑して読むのをやめそうになったけど…。


作中に書かれた中で印象に残ったことは、「マジョリティというのは、そもそもその問題(や状態)について考えたことのない、考える必要のない人たち」と書いていて、まさにその通りだよなぁと思った。